SELECTIONS

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《鳩笛たち》

制作年
1959年
サイズ
116.8x91.4cm
素材
油彩、カンヴァス

作品について

長崎県(長崎県立美術博物館)が最初に収集した池野作品である。佐多稲子の『樹影』には「D展」の「春季特別展」に出品の招待を受けて描かれた「木に宿る鳩笛たち」として登場する。「白灰色におもいきりよく紺をあしらい、それにやや褐色をまじえてまとめた中央に、五羽の鳩が線描きで描かれた絵である」(佐多稲子『樹影』講談社文芸文庫、p.210)

参考文献:福満葉子 編著『長崎の美術7 池野清』長崎県美術館、2021年、p.80

作家について

撮影:本多秀和 ©本多英介

(1913年-1960年)
池野清は長崎市出身の洋画家。独立展を発表の場とした(生涯「会友」の地位にとどまった)。単純化された風景や樹木、静物などを、厚塗りのマティエールと抑えた色調で描いた静謐な作品で知られる。また勤労者の美術愛好グループや児童に絵画を教え、草創期の長崎県展や市展で審査員を務めるなど、戦後長崎の美術振興に貢献したことも重要である。
長崎市立長崎商業学校卒業後、独学で画家を志した池野は、1935(昭和10)年に《ベランダから見た庭園》で西日本美術展受賞。1937年、《海辺の静物》で第7回独立展に初入選(以後、応召から戦後の数年間を除き歿年まで連続入選する)。1941年、独立美術協会会友に推挙される。1944年、応召。1945年、長崎市において、救援活動のために原爆投下直後の爆心地に入り被爆。1949年から胸部疾患のため療養。1959年、《鳩笛たち》(長崎県美術館)が春季独立展に招待出品される。1960年に46 歳で肝臓癌により他界。この年に描かれ遺作となった《木立》《樹骨》(ともに長崎県美術館)は、第28回独立展に入選した。
池野の死の翌年、友人で長崎市出身の作家・佐多稲子(1904-98)が、短編「色のない画」(『新日本文学』1961年3月号に掲載)において池野をモデルにした主人公を登場させ、さらに1972年には、その発展形ともいうべき長編『樹影』(講談社)を出版し、同じく池野をモデルとした主人公の生と死を、理不尽な暴力への静かな怒りと深い哀惜を込めて描写した(同書は野間文芸賞を受賞)。

活用事例

学校名:
長崎市立 大浦小学校
プログラム名:
「作品から想像を広げよう」
授業実施日:
2021年7月1日(木)(45分間×2コマ)
対象(学年)・人数:
6年生 計66名
教科・科目:
総合的な学習
学校名:
長崎市立 古賀小学校
プログラム名:
「作品から想像を広げよう」
授業実施日:
2022年1月13日(水)(45分間×2回)
対象(学年)・人数:
6年生 計63名
教科・科目:
図画工作科

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